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四葉の贈り物
2013-07-07 Sun 23
2007‎年‎3‎月‎25‎日
by.2007‎年‎3‎月‎25‎日

"リュートとリヴァー。"


 リュートは、英国で配達の仕事をしてました。
お手紙を届ける仕事です。
誰かが誰かに宛てた想いの文を、一軒一軒、届けていきます。
 最初は重たかった鞄も、次第に軽くなっていきました。

 途中、子犬の鳴き声が聞こえてきたので、鳴き声の在り処を探して見ると、
一匹の子犬が飛びついてきました。リュートは抱き上げました。

「きみ、独りなの?」

 子犬はリュートを黙って見つめてました。

「それとも、家族がいるの?」

 子犬はまだ黙って見つめていました。

「家族がいるなら、戻った方がいいよ」

 ゆっくり子犬を地に降ろし、リュートは踵を返し歩き出しました。

――わん!

鳴き声と共に子犬はリュートの傍に走ってきます。

「不思議だね、俺はきみを初めて会った気がしない・・・
一緒に行こう?」

 傍に寄ってきた子犬にリュートは言いました。








 ―――どのくらいの時を遡りましょうか。
森で妖精達が青年に話しかけます。

『あえるよ』

 青年の隣にはイエローブロンドの髪の精霊が寂しげに微笑んでいます。

「この子の魂は護られていますよ、主」

 青年は悲しみにも、微笑みにもどちらにも取れる表情で、
クローバーの溢れる草木を見つめていました。

『あえるよ』
妖精達が青年に告げます。

 涙がひとつ、ふたつ、クローバーの葉にこぼれ落ちていきます。

『あえるよ』
妖精達が青年に歌います。

 「またね」

 青年はそれだけ言うと、太陽を見上げました。




――りゅーと、りゅーと、ぼくはおぼえているよ
きみがわすれてしまっても、
ぼくはおぼえているよ

ぼくのこえにきずき、きみはきてくれた

ぼくは、こんどはこのじだいに、ふたたびうまれ、
ようせいたちの みちしるべをたどってきたよ

ああ、こんにちは、たいようのせいれいさん
あなたもふたたびあえたんだね

ぼくはふたりのこと、おぼえているよ



「休憩しようか?パンがあるよ!」

リュートは持っていたパンをちぎって、子犬に分けました。
目の前にはクローバーの花が満開に咲いていました。


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